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2017.05.08

親からの住宅資金贈与の考え方 オトクな受取り方法はある?

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家を建てよう、購入しようと考えたとき、親が資金援助を申し出てくれることもあるでしょう。子供夫婦としてはうれしい申し出ですが、贈与税がどうなるのかは気になるところです。資金援助のお得な受け取り方法はあるのでしょうか。

住宅資金の贈与税が非課税になる特例

たとえ親子であっても、贈与を受けたら贈与税がかかるのはご存じのとおりです。仮に、親から1,000万円の贈与を受けた場合は、控除額を差し引いた部分に約30%の贈与税が課されます。決まりなので仕方ないとはいえ、せっかくの贈与に税金がかかるのは残念ですね。

しかし、これには特例が適用されるケースも。父母や祖父母からの住宅取得に関連する資金であれば、一定額まで非課税になる、「住宅資金等の贈与を受けた場合の非課税の特例(以下、住宅資金等の特例)」という制度があります。気になる金額や条件についてご紹介します。

住宅にかかる贈与の非課税限度額

贈与の非課税上限額は時期や住宅により異なります。

  • ~平成27年12月31日
    断熱性能や耐震性など一定の要件を満たした住宅(以下、省エネ等住宅)は1,500万円まで。それ以外の住宅は1,000万円まで
  • 平成28年1月1日~平成32年3月31日
    省エネ等住宅は1,200万円まで。それ以外の住宅は700万円まで
  • 平成32年4月1日~平成33年3月31日
    省エネ等住宅は1,000万円まで。それ以外の住宅は500万円まで

※すべて、消費税8%の場合

ケースにより非課税枠の上限に違いはありますが、どれも大きな金額ですので、非課税になればうれしいですね。ただし、住宅にかかる贈与であれば無条件に非課税になるわけではありません。主な要件を見てみましょう。

マイホームにおける、「住宅資金等・非課税の特例」

住宅資金等、非課税の特例の適用を受けるための主な要件は以下のようなものです。

  • 贈与をする人が、直系尊属であること。ここでいう直系尊属とは、本人の直系尊属のことであり配偶者の父母や祖父母は対象外
  • 贈与を受け取る側が、その年の1月1日時点において20歳以上であること
  • 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること
  • 取得する住宅の床面積が50平方メートル以上かつ240平方メートル以下
  • 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅取得等資金の全額を充てて家屋を新築する

要件が当てはまるのであれば大きな効果があるため、要件や適用限度額を事前にしっかり確認しておきたいものです。

相続時精算課税制度の特例が適用できる

先ほどの「住宅資金等の特例」とよく比較されるのが「相続時精算課税制度」です。これは非課税になる贈与の対象が住宅資金に限らず、贈与回数の制限もありません。特定の直系尊属における贈与の合計額2,500万円までが非課税になります。2,500万円という大きな金額が非課税の上限なので、こちらのほうがいいと思われるかもしれませんが、もし2,500万円を超えるとそこからは一律20%の税率が課されます。この制度は贈与をする人ごとに選択できるので、父母のうち父親だけ制度を利用する、ということも可能です。

相続時精算課税は住宅資金援助に限らない

名前に「相続」がついていることからもわかるように、相続時まで含んだ制度です。贈与に関する非課税なのに相続まで含むとはどういうことなのでしょう。時系列に並べて考えてみます。

  1. 贈与時、2,500万円までは非課税
  2. 贈与財産が2,500万円を超えると、超過部分には20%の贈与税
  3. 相続時に、贈与分と相続財産を合算して相続税を再計算

「何のために相続時に再計算(精算)するの?」と思われるかもしれませんが、相続時には相続税の非課税枠があるため、上記「2.」で支払った贈与税が戻ってくることもあります。そのため還付金を期待するなど、相続時まで見据えてこの制度を利用する人が多いようです。

ただし、想定以上に相続税がかかり、贈与税の還付がないこともありますし、本制度を一度選択したあとの撤回はできません。また、「住宅資金等の特例」と同じように、住宅要件や適用要件があります。お得になるかどうかは相続財産や相続方法にもよって変わるため注意したいところです。

要件やお得度の判定が難しい

この制度は、本来贈与する側(親や祖父母)の年齢制限も要件に含まれます。しかし、住宅資金の贈与であるときは、贈与者の年齢制限はありません。申請の手間も大きいため、納税効果だけでなく、手間も含めてメリットがあるかどうか、慎重に見極めましょう。利用の際は専門家に相談すると安心かもしれません。

「住宅取得等資金の贈与」と「相続時精算課税制度」はどっちがいいの? 

「住宅取得等資金の贈与」と「相続時精算課税制度」をご紹介しましたが、この2つを併用することはできません。前者はそのときだけの贈与に対する特例ですので、わかりやすいですが、今後も贈与の可能性があるならば、複数の贈与に対応できる相続時精算課税制度を選んだほうがお得なことも。将来のことまで親と話し合い、本当にメリットが大きいのはどちらなのか、比較検討してから選択したいですね。

暦年課税を活用するのもひとつの手

ここまで、大きな金額の贈与について見てきましたが、もっと少額の贈与を受ける場合もあるでしょう。もし、贈与額が110万円以内ならば、そもそも贈与税は発生しません。これを「暦年課税」といい、110万円の基礎控除(贈与税がかからない部分)は1月1日〜12月31日までの1年間で判断します。そのため、仮に数百万円の贈与を受けられるとしたら、数年に分けて贈与を受けるという選択もできます。

特に今は住宅ローンの金利が低いので、頭金を大きく入れて借入額を抑える、という方法以外に、子供の進学やその時の状況に合わせて小出しに贈与を受けるという方法も有効ではないでしょうか。

資金援助と暦年課税

暦年課税は、住宅資金援助として大きな金額を一括して受け取るのであれば、非課税になる部分が小さく不向きかもしれません。ですが、そう大きくない金額の援助を長期的に受けるのであれば、好相性です。また、110万円以下であれば特に申告義務がないのも手軽でいいですね。ただし、贈与申告の必要がないだけに、適正な範囲内で贈与が行われたことを証明しにくいともいえます。「贈与契約書」などを作り、「贈与」が適正に行われたことを証明しておくのが理想的です。

また、110万円の贈与を毎年定期的に行うといった方法はおすすめできません。仮に、10年間にわたり毎年110万円の贈与を受取り続けると、総額1,100万円の贈与を10回に分けて受け取った「定期贈与」とみなされ、1,100万円に対して贈与税が課される恐れもあります。

最適な制度を選択するには

住宅資金の贈与には、複数の税制優遇があります。しかし、優遇を受けるためには条件を満たす必要があります。各制度の特徴を知り、お得度や手続きの手間、そして適用条件などを比較しましょう。総合的に、親の好意を最大限受け取れる制度を選びたいですね。

参考:

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