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2018.12.03

「相続時精算課税制度」はどう利用できる?内容や注意点を知ろう

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近年、相続税は増税傾向で、「不動産を持っている人はみな相続税が発生する可能性がある」ともいわれています。
当然、相続前に土地を生前贈与しようと考える人も多いでしょう。
土地や財産の生前贈与を検討しているなら、2,500万円の基礎控除がある相続時精算課税制度について知っておきたいところです。
利用を検討するためにも、メリット・デメリットをご紹介します。

まずは相続税について知ろう

相続税税法の改正により、2015年1月1日から相続税の基礎控除が縮小されました。
基礎控除とは相続税がかからない基礎の額のことで、その縮小に伴い2015年は相続税を支払う人の割合が、前年の4.4%から8%と約2倍に増えました。

国税庁の「平成28年分の相続税の申告状況について」によると、相続財産の内訳は土地と家屋を合わせた財産が43.5%と、現・預貯金や有価証券を上回っています。
親が不動産を所有している場合、相続税はもはや他人事ではありません。

生前贈与の場合は贈与税が発生

では、生前に土地を贈与してもらえば問題ないのでしょうか。
残念ながら、答えは「NO」です。その場合は贈与税がかかります

贈与税の最高税率は55%と高率で、しかも基礎控除額も相続税よりも小さくなります。
とはいえ、実際問題として生前に子どもに「土地を贈与したい」「家を建ててあげたい」と考える親は多いもの。
そういった場合に使えるかもしれないのが「相続時精算課税制度」です。

相続時精算課税制度とは

相続時精算課税制度とは、相続と贈与の中立性を保ちつつ、贈与による財産の移転を活性化することを目的とした制度です。
贈与時は贈与者1人につき2,500万円まで贈与税が課税されません
2,500万円超の贈与額については一律20%の贈与税がかかります。
そして、相続時には生前に贈与された財産も合わせて相続税を清算(再計算)することに。
利用には要件があるので見てみましょう。

  • ・贈与者:60歳以上の直系尊属(父母・祖父母)
  • ・受贈者:贈与者の直系卑属(子や孫)で、20歳以上の者
  • ・2,500万円の非課税枠は、贈与者ごとに判断。例えば父母それぞれが子どもに対して相続時精算課税制度を利用すれば2,500×2=5,000万円まで非課税となる
  • ・贈与財産の種類・贈与回数・1回当たりの贈与金額には制限がない

※年齢は、贈与した年の1月1日時点で判定する

暦年課税との違いは

通常の贈与(暦年課税)の場合も基礎控除があり、その額は年間110万円までとなります。
相続時精算課税制度と比較すると控除額は少額ですが、110万円を超えない贈与であれば、特に申請の必要がなくて手軽です。
ただし、控除額は「受贈者1人につき」110万円までとなり、贈与者が複数人でも上限額は増えません。

また、暦年課税で贈与した場合、一定のものは相続時に相続財産として扱われることがあります。
これを「贈与財産の加算」といい、相続開始前3年以内の贈与分は110万円の基礎控除額も加えたうえで相続財産に加算されるのです。

被相続人がなくなる前の3年間に毎年110万円の贈与を受けており、それが「贈与財産の加算」とされた場合、本来非課税であった合計330万円全てが相続税の対象となります。

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還付金があるかも?相続時精算課税制度のメリット

前述のように、相続時精算課税制度は贈与時に非課税だった2,500万円が、相続時には相続財産に加えられます。
課税時期が遅れるだけでメリットがないと感じるかもしれません。

しかし、相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」となっており、たとえ相続人が子ども1人だったとしても基礎控除額は3,600万円になります。

相続税の基礎控除が贈与税よりも大きいため、清算時に相続税が課税されない可能性もあるのです。
仮に相続税がかかったとしても、すでに支払っている贈与税(2,500万円超過分×20%)は相続税に充当されるので、納付額を減額することができます。

さらに、相続時の還付が受けられる可能性も。
精算の結果「相続税がかからない」場合は、すでに支払った贈与税が戻ってくるからです。

相続人が子ども1人のケースで、還付が受けられる例をご紹介します。

1.相続時精算課税制度で時価3,000万円土地・家屋を生前贈与
2.2,500万円超過分の500万円が課税対象。500万円×20%=100万円を贈与税として納付
3.相続が開始。相続時の財産は現金500万円のみとする。生前贈与分3,000万円を加算して相続財産は3,500万円
4.相続時の基礎控除は3,600万円なので、相続税は課税されない
5.贈与税として支払った100万円を還付金として受けとることができる

相続時精算課税制度の活用方法は他にも

相続時の清算においては、贈与時の時価が用いられます。
そのため、将来値上がりが予測される「立地のよい土地」は相続時精算課税制度を活用することで、値上がり前の評価額で相続税の計算を行うことができます。
特に土地は分けるのが難しいため、事前に特定の相続人に贈与することで、無用の相続争いを回避する効果もあるのではないでしょうか。

「土地は一緒に暮らしている長女に相続させたい」「事業を継ぐ長男に土地を譲りたい」などの事情がある場合も、生前に贈与できる相続時精算課税制度は有効ですね。

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相続時精算課税制度のデメリット

相続時精算課税制度にはデメリットや注意点も多いです。
例えば、要件の多さや内容の難しさがあります。
贈与者・受贈者それぞれに年齢要件があり、利用の際は税務署へ「相続時精算課税選択届出書」を提出しなければなりません。
さらに一度選択すると撤回はできません。

贈与時の時価で相続財産の清算が行われることも注意が必要です。
土地の値上がりを想定し、時価の安いうちに贈与したのに、実際は土地が暴落してしまったら、わざわざ高い価格で清算することになってしまいます。
価値がどうなるかは分かりません。その意味では手を出しにくい制度といえます。

小規模宅地の特例が使えないことを知っておこう

相続時精算課税制度を利用し、土地家屋の生前贈与を考えている人も多いと思いますが、「小規模宅地等の特例」との併用が不可であるため注意が必要です。

小規模宅地の特例とは、被相続人の住んでいた土地の評価額が、相続時に80%の割合で減額されるものです。
事業に使用していた土地でも50%の減額を受けることができます。

親族要件や同居の有無など一定の条件はありますが、適用できれば相続税がかなり軽減されます。
相続時精算課税制度を利用すると、小規模宅地の特例を受ける可能性は消えてしまうことを知っておきましょう。

利用の際は、専門家に相談しよう

メリットはあるものの、内容が難しい相続時精算課税制度。
本当にお得かどうかを見極めるためにも専門家に相談したいですね。
何より大事なのは、関係者全員が理解・納得することです。
利用するしないにかかわらず、じっくりと話し合いましょう。

<参考記事>

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